任意後見契約

任意後見契約について

任意後見契約とは何ですか

将来自分の判断能力が不十分になった時に備えて,未だ判断能力があるときに,自分の財産管理や身上監護を信頼する特定の人に委任する契約であり,各種代理権について,事細かく規定することが可能であり,その内容は登記されます。

また,判断能力がなくなったときには,裁判所に後見監督人の選任を申し立てることにより,任意後見契約がスタートしますが,この裁判所が選任した後見監督人に任意後見人を監督してもらうことによって,任意後見人が財産を使い込むなどの不正行為を防止することも期待できます(この点が,任意後見契約の醍醐味です。)。なお,任意後見監督人の人選は,あくまでも裁判所の裁量判断により決定されますが,希望する候補者を指定しておけば,その希望を尊重して貰うことができます。

任意後見契約は,慎重に本人の意思を確認した上で作成されることが望まれるため,公正証書によって作成される必要があります。

財産管理契約(継続的見守り契約)とは何ですか

未だ判断能力があるときから任意後見契約がスタートするまでの間,財産管理や身上監護に関する民法上の委任契約を別途締結するものです。例えば,週に1回くらいの頻度で電話での安否確認をして貰い,月に1回くらいの頻度で訪問して貰い,口座から預金を払い戻して各種支払いをして貰うことなどを依頼することができます。そして,判断能力がなくなった時には,財産管理契約の受任者に,任意後見開始のための申立をして貰い,引き続き任意後見人として財産管理や身上監護を担当して貰う移行型が望ましいとされています。

終末医療に関しての希望はどのように表明することができますか

終末医療に関する自己の意思(例えば,いわゆる植物状態となったときには,過剰な医療は希望せず,延命装置は装着せずに,安らかに逝きたいなどの尊厳死宣言)は,任意後見契約の公正証書に付言事項として記載しておけば,将来,終末医療を担当する医師に,この公正証書を見て貰うことによって,自己の意思に沿った措置をとって貰うことができます。

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